ゴミ拾いが楽しくなかった日 〜アンカンミンカン富所哲平〜
ウィキペディアのプロフィール欄に、アンカンミンカンのマラソン担当と書かれている僕です。フルマラソンだって完走したこともあるし、草津まで自転車で行ったこともあります。そんな僕にとって、過去、一番しんどかったことが「ぐんま100kmウォーク」という鬼イベントです。
群馬のお正月の風物詩と言えば、ニューイヤー駅伝があります。群馬県内をあっちこっちと100キロメートル。この100kmを、28時間かけて”歩く”のが、「ぐんま100kmウォーク」です。世界で一番過酷な28時間です。(アンカンミンカン富所調べ)
なぜこんなイベントが生まれたのか。最初は参加者2人から始めたそうです。自分には何もない。自分なんかに何ができるだろうか。そんな自分でも、100km歩くことができたら人生を変えることができるかもしれない。そんなところから始まったイベントだそうです。
僕たちアンカンミンカンは、縁あって「ぐんま100キロウォーク永久アンバサダー」の肩書きを頂戴しています。そのせいもあって(笑)、1度、2度と、3度と、地獄の100kmを、完走ではなく完歩することに成功しています。そして迎えた何回目かのぐんま100キロウォークで、ある事に挑戦しました。それが「ゴミ拾い」です。
実際歩いてみると、車で通るだけだとわからない路上のポイ捨てがかなりあることが気になっていました。歩き慣れてきたことも手伝って、「歩くついでにゴミを拾ってみよう!」となりました。とは言え、100kmの辛さは十分すぎるほどにわかっているので、マイトングは用意しておいて、90kmを歩き終えて、身体と心に余裕があったら、ラスト10kmほどをゴミ拾いしながら歩いてみよう。そんな思惑でした。
地獄の100kmがスタートとなり、何百人が意気揚々と歩き出し、いざ自分も頑張ろうと最初の角を曲がったところで道路っ端に転がるペットボトル。
「いやいやゴミ拾いはラスト10kmだから。無視無視。無理無理。しょうがない。」
そこから10歩ほど進んだのですが、引き返してそのペットボトルを拾いました。
「目の前のゴミを見過ごす奴が、90km歩いたあとでゴミを拾えるわけがない。」と、思ってしまったんです。そこから、「ゴミ拾いをしながら100キロウォーク」が始まりました。やっぱり気持ち良かったです。清々しかったです。
ゴミ拾いは拾わされたら負け。楽しく、魅せて、宝探しに。これが僕のモットーです。車通りの多い交差点でこそ積極的にゴミを拾いながら、とにかく歩き続けました。そうして無事に完歩することに成功しました。
とはならず、今回の話は100kmの半分の50kmでリタイアとなりましたってオチです。いや、ほんとにしんどくて、15km地点ぐらいでゴミも拾えなくなっていたし、腰と膝の痛みは、ゴミを拾う達成感をすっぽりと覆い隠したまま動きませんでした。辛すぎて泣きました。
「100km歩きながらのゴミ拾い、ダメ、絶対!」です。

