最後の世代 〜アンカンミンカン富所哲平〜
「SDGsに気づかせてくれてありがとうございました」
先日、ショッピングモールで開催されたSDGsイベント終了後のこと。
舞台を下りた僕に、小学校6年生の少年がかけてくれた言葉。
嬉しかったです。
僕みたいな人間でも、一応は舞台の上に立つ人間として、
貴重な時間を割いて聞いて下さった方の、何かのキッカケになればと思って、
一生懸命に喋っています。
これをやった方が良いですって答えを示すのはそんな難しい事じゃない。
でもホントに大切なことは、自らの意思で「やろう!」って思ってもらうこと。
そう思ってもらえるような『気づきのスイッチ』を押すこと。
じゃないと続かない。
そのためには情報、タイミング、環境、パッション、などなど。
いまだに試行錯誤で、どんなにいっても100人中100人のスイッチを押せることは無さそうです。
他人を変えることができるなんて思い上がってもいないけど、それでも時に虚しくなる時があります。
だから嬉しかったです。
2013年に起きたバングラディッシュのラナ・プラザビルの崩落事故から10年。
過酷で過剰な発展途上国におけるアパレルファッションの生産体制が引き起こした結果。
1000人を超える尊い命が一瞬で奪われた悲劇。
そこで生産されていたのは、先進国の人間が着るための大量生産・大量消費のファストファッション。
今もビルの事故現場では被害者遺族らによる訴えが続いているそうです。
その中に混ざる一人の少年。歳は10歳。
彼の訴えは、事故によって失った両親の命に対する補償。
つまり彼は、
生後6カ月で、この事故によって両親を失ってしまったのです。
僕だって間違いなく加害者で。
だから当然に、何か正解を示す権利なんか全くないけど、選択肢を伝えることはできる。
そんな葛藤を丸ごと全部受け取ってくれた少年に感謝を。
僕たちは”ときをつなぐ未来”を選べる最後の世代。

